こんにちは、門田由貴子です。
先日、ある大手企業の管理職の業務分析をしておりましたら、驚く発見がございました。
そもそも発端は、経営幹部さんから「極めて生産性の悪い部署があるから調べてほしい」とのご要望で始まった業務分析。
手始めに、その部署の管理職やリーダーが朝から晩まで何をしているのか調査したんですよ。
そこで分かったことは、なんと!
利益につながる本来業務をしている時間はわずかなのに対して、最も時間をかけている仕事が「メール対応」だったのです。
断言しますが、管理職がメール対応にいくら時間をかけたところで、1円の利益にもつながりません。売上も増えません。
にもかかわらず、朝から晩まで席でPC画面をにらんで、何をしているかと思いきや「メール対応」だなんて…。
そりゃぁもう、生産性は悪いし、業績目標が達成できないし、リアルに発生している問題への解決なんてできるわけありませんよね。
困ったことに、彼らはすっかり「メール対応」で仕事をした気になっているんです。
もう、業務の目的や戦略、結果指標なんて眼中にないわけです。
PC画面に次々表示されるメールに振り回されているんですね。
驚きました。いや、呆れました。
でも、決して珍しい症例ではありません。
IT化の進んだ現代においても、メールを効果的に使いこなせない会社や人は案外と多いんです。
大企業の管理職がやっている「メール対応」をざっくり分けると、
①幹部やスタッフ部門からの指示を、部署内の部下に伝えたり、部下に業務指示を出す。
②部下から送られた報告書やメールを読んで回答する。
のいずれかがメイン。
ほとんどが社内メールです。
そして、おまけに、③社外から受信したメルマガを読む。というのがあるわけです。
(それ、仕事じゃない!ヒマつぶしでしょ?)
で、ある管理職のメール対応の状況を拝見すると、たった1通のメールを処理するのに40分以上もかかっていることが分かりました。
なぜ、そんなに時間がかかるのか?
理由は、読解力が低くてメールの本意をくみとれない。
文章ライティング力が低い、ボキャブラリーが不足、説明力が低い、メールの読み手に対する配慮ができない。だから、一度書いて発信したメールに、何度も確認や質問、それに対する補足説明が発生する。
そして最大の問題は、メール発信して訳の分からない説明をして、管理職が職場に混乱をまき散らしていることです。
本来、メールも含めたPC機能は、業務の生産性と効率を上げるためのもの。
なのに彼らときたら、PCリテラシーやメールの使い方が下手すぎて、かえって仕事の生産性を下げているわけです。
それなのに、彼らは「オレは大手企業の管理職だ」というプライドだけは10人前。
これが年収1000万円を越える管理職なんですから、この部署の生産性も業績も悪いのは当然なわけですね。
もうこのレベルになると、メールのテクニックを教える程度では問題解決になりません。
下手なプライドが邪魔をして、新しい知識やテクニックを学ぶ気もないのですから。
で、私が彼らに提案したのは、「社内のコミュニケーションに関してはメール禁止!すべて関係者と対面で話し合う!資料はメール添付せず紙で渡す!」
なんと時代の流れに反するアドバイスかと呆れるでしょ?
でも、PCリテラシーの低い人達には、この前時代的なアナログ処理の方が生産性が高いんです。
なお、これはあくまでも一般論ではなく、この問題部署の特定の人達だけに対する【例外的な緊急措置】としてのソリューションですよ。
私はメール廃止論者ではありませんので、誤解なさらないでくださいね。
メールが普通に使えている人で、さらに「ビジネスメールを、もっと効果的に使いこなしたい」とお考えの方には、別のもっと効果的なソリューションをお知らせいたしましょう。
それは次のブログで。どうぞお楽しみに。
では、本日もごきげんよう。
門田由貴子のコンサルティング・管理職研修のご依頼は、
こちら ↓ からお問合せください。