天命を生きる by キャサリン門田

魂の聲を聴き、天命を具現化する生き方・働き方をデザインする。ビジネス・プロデューサー「キャサリン門田」のブログ。

悲しき中高年管理職…

毎年、都内某所で定期的に開催される管理職研修。お陰様で毎回すぐに満席となり、次々に社員を送り込んでくる企業も増えている様子。講師を担当する私にとっても、ありがたい定期収入である。

昨日今日の2日間は、なぜか50代後半の方々が多く参加されていて…。受講者名簿を見れば、既にご立派な役職についていらっしゃる。今さら何を期待して参加しているのか? いや、実は彼らは自分から参加しているのではなく、彼らの上司(経営幹部)からの命令で参加させられている。つまり「今のままではダメ、学んでこい」というのが暗黙の指示だろう。

ハッキリ言って、やりづらい。

同じクラスには20〜30代の若手も多数。彼らと数人組にしてグループ演習に取り組んでもらうのだが、若手からしたら50代の方々と一緒なのは苦痛であろう。

見た目からして偉そうな態度。何か発言すれば上から目線。「自分は分かっているんだ」感をバリバリと発揮する。講師の話など真剣に聞かない。「そんな事は知っているよ」アピールに忙しいからね。

やがてグループ演習になった途端に、彼らの自信とプライドは木っ端微塵に粉砕される。悲しいほど、デキナイから。

演習では「いつものやり方」と異なることをやらされる。若手が素直にすんなりと取り組む一方、明らかに苦戦している中高年管理職の方々。何か意見を言うと、すぐに若手から否定される。新しい発想は出ない。手は動かない。その顔から背中から「やばい…」という焦りが見え見え。リーダシップを発揮するどころか、メンバーから邪魔者扱い、味噌っかす扱いされる人も。

中には、不貞腐れてしまい、グループ演習で一切口を出さず手も動かさず、ダンマリを決め込む人もいる。それはまるでお地蔵さんのように。

そして、彼らは、自分の知識不足、スキル不足を思い知らされる。さぞかし悔しいのだろう。まるで自分の全人生を否定されたように感じる。この恨み、怨み、悔しさを晴らさねば死に切れない…!

そんなタイミングで配られるのが、受講者アンケートなる一枚の紙。

彼らにとっては、無念を晴らすのに絶好の機会だ。自分をこんなに不機嫌にさせ、プライドをズタズタに粉砕され、若い奴らから邪魔者扱いされたなんて…。今こそ、この怨みを晴らしてやろう! この研修プログラムは最低だ。講師は最悪だ。テキストは見づらい。新しく学んだことなど一つもない。誠に不愉快な経験だった。……アンケート用紙に表現された怨念のこもった告発の数々ったら…(笑)

あぁ、悲しき中高年管理職。

せっかく新しい考え方や手法、自分とは異なる視点を手に入れるチャンスなのに、素直に受け取れないんだよね。オトコの沽券やらプライドやらにこだわる人ほど、器がちっちゃいから。

明らかに、中高年管理職と、本来の研修対象者とは、異なるアンケート回答である。

彼らの下で働く社員たちは、いつもどうしているんだろう? そう思わずにはいられない。

若い方々には声を大にして伝えたい。今いる職場で、今の上司の下で成長できそうにないと感じるなら、さっさと異動願いを出し、転職するが良い。世の中には優秀な上司はたくさんいるのだから。上司も含めて、付き合うべき人間はよく考えてみようよ、ね。

(^^)v

  

 

 

 

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